企業向け AI 業務委託の実務 / FIELD NOTES
AI業務依頼書の作り方:成果物と検収条件を明確にする
AI業務の目的、参照資料、操作範囲、検収基準を整理する実用ガイド。議事録要約の記入例とチェックリスト付き。
AIアシスタントや運用担当者に仕事を渡す前に、何を決めればよいですか?
「AIで効率化してほしい」だけでは、着手する作業が定まりません。依頼書には利用者、入力資料、許可する操作、検収条件を記します。NISTのAI RMFでも、具体的な業務と人の責任を明確にすることが扱われています。社内の引き継ぎにも、運用委託にも使える整理方法です。
成果物と利用場面を具体化する
業務名、利用者、開始条件、提出形式、言語、保存先、期限を記入します。「会議を整理する」なら、「指定の議事録から要約と対応事項の表を作成し、プロジェクト責任者が確認する」と書き換えます。会議の予約や参加者に代わる納期の約束など、対象外の作業も明記します。
定期作業では頻度と想定資料量を加えます。担当者が変わっても、一回分の作業の始まりと終わりを判断できる状態が目標です。
資料の位置と操作の範囲を決める
資料ごとにリンク、版、管理者、利用できる範囲を記録します。確定した事実、背景情報、未確認事項を分け、パスワードを依頼書に書かず、組織で承認された方法でアクセスを付与します。
閲覧、下書き作成、記録の編集、外部送信を別の操作として定義します。承認者と、資料の矛盾や権限不足が起きた際の保留方法も指定します。
記入例:議事録から対応事項を作る
説明用の例として、確定済み議事録から五項目以内の要約と「対応事項・担当者・期限・根拠箇所」の表を作成します。原文が「来週、公開日を再確認する」であれば、公開期限は「未確認」とし、日付を補いません。
担当者と期限を原文に照合し、提案を決定事項として扱っていないか確認します。この一件で合意した基準を、その後の処理にも適用します。
そのまま使える引き継ぎ項目
合格したサンプルと差し戻し理由を依頼書に添えます。検収条件を変更したら版も更新し、担当者間の判断のずれを防ぎます。
- 目的と利用者:誰のどの作業に使うか。
- 入力:資料リンク、版、管理者、不足事項。
- 提出:形式、言語、保存先、期限。
- 操作:許可範囲、承認が必要な操作、承認者。
- 検収:合格例、補完禁止の項目、差し戻し条件。
引き継ぎ前の確認
- ツール選びの前に、確認できる成果物を定義します。
- 不明点は不明のまま記録し、次の確認担当者を決めます。
架空のプロジェクトと具体例は作業方法を説明するためのものです。実際の納品では、受領者の仕様と合意した作業範囲に従ってください。